衛生概念の啓蒙、衛生技術の普及を通じて 新たな社会の発展に寄与する
ベトナムプロジェクトの始まり
高木顧問との出会い
このプロジェクトは、元長崎大学副学長で長崎大学名誉教授の高木正洋先生との出会いから始まりました。
高木先生は、長崎大学の熱帯医学研究所(以下、熱研)の教授として、デング熱ウイルスを媒介する蚊の研究に携わり、現地ベトナムのデング熱対策に貢献されてきました。退官後の現在も、熱研の客員研究員として、またマラリヤの撲滅を目指すNPO法人Malaria No More Japan(マラリア・ノーモア・ジャパン)の理事として活躍中です。
かねてより、建築物の衛生環境管理のひとつである「ねずみ・有害こん虫の防除」サービスの品質向上を目指していた私たちは、この素晴らしい経験と実績、そして何よりも高い志をお持ちの高木先生を顧問として迎え、協力いただくこととなりました。
早速、日本国内においては、高木先生の人的ネットワークを通じて、ねずみ・有害こん虫防除に関する最先端の技術を習得すべく、若手スタッフが国内先進企業で研修の機会を得ることができました。
ベトナムプロジェクトの活動
まずは人材育成から
私たちのベトナムプロジェクトは、「ベトナムにおける効率的かつ定着可能な防除技術の確立」を目的として活動してきましたが、社会としてまだまだ若いこの国では、衛生的な生活環境を実現するための技術や制度などが未だ発展途上にあり、何より一緒に調査・実験、実践を行える専門的な人材が居ないことが判明しました。
そこで、まずは技術の受け皿として、また将来の事業の担い手としの「人材づくり」が必要と考え、現地の人材を対象とした第一回養成講座をハノイの国立衛生疫学研究所(NIHE)にて開催しました。
講師は、ベトナムの研究者に加え、薬剤や蚊、ねずみなどの分野毎にベトナム、日本よりトップクラスの講師が協力して下さいました。
受講者は11名。公務員や実業家など20代から30代の若く、優秀な人材が集まりました。その学習意欲は旺盛で、研修は熱気に溢れ、最後はいつも数多くの質問が飛んできました。
始まったばかりのプロジェクトですが、NIHEのスタッフや受講生の取組み姿勢から、今後の大きな可能性を感じています。